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北野ふゆ子
  • 北野ふゆ子
  • 昔は、ゲームやマンガの二次創作をしておりました。現在は主にオリジナルネット小説を執筆しています。得意は「シリアス」「アクション」「サスペンス」です。



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あらすじ&ハイライト

「英雄の屍」とは?
異世界ファンタジー長編小説です。
A&Cの某会員様に、
「謎が解決されたら、また新たに謎が生まれる、ミステリーの様な要素がある」
というご意見を頂戴し、嬉しかったので自分の中で勝手に「異世界ファンタジーミステリー長編小説」とジャンル付けています。

※管理人の偏見と好みと妄想により、BLとまではいかないのですが、ちょっと間違った男の友情とか主従関係とか描かれているかもしれません。その辺りはご容赦下さいませ。
(作品自体はBLのつもりで書いていないので、BLダメ!って方も大丈夫だと思います)


英雄の屍 全体のあらすじ
 5つの大陸を有する世界。人々は森羅万象を司る精霊と精霊神を信仰している。中央に位置する大陸ジスノランの、更に中央に位置する国アリタスは、有史以来、周囲を列強に囲まれながらもなんとか存続してきた。この国に生まれ育ち神に選ばれた登場人物達はやがて、世界を巻き込む大いなる運命に導かれていく。

現在、第一部「押印師」を連載中。

 舞台は周囲を列強に囲まれた軍事国家アリタス。
 精霊の力を人工的に操る違法技術「押印」。父を殺された裏押印技術者の少女エルリオは、死んだ父親を頼ってきた亡国の末裔である少女ミリアムと出会う。とある騒動で軍から指名手配となった二人は街にいられなくなり、共に辺境へと旅に出る。
 始めは、「全ては復讐を果たす為の道具」と考えていたエルリオだが、旅の過程で成長していき次第に考えを変えていくようになる。

 一方で、突然姿を消した将軍の捜索任務にあたる、個性派人材が揃う国軍情報局諜報部の面々がいた。上記の騒動からエルリオとミリアムの行方も追う事となる。どうやらミリアムが将軍と密接な関係にあるようだ。
 与えられているのは少な過ぎる手がかり。しかし彼らは着実に真相へと近づいていく。将軍は何故姿を消したのか。また、彼が姿を消すと共に持ち去ったとされる「鍵」とは何なのか。

 また一方で、遠く離れたとある田舎の地。国が近代化の道を辿る以前は「聖地」として栄えていたが、今は面影もない寂れた小さな村と街となっている。
 安穏とした生活を送っていた村長の孫息子イルトはある日、突如現われた謎の男と出会う。男は英雄と謳われた将軍と同じ名を名乗り、村長もそれを認めているが、唐突な話にイルトは訝しく思う。だが男と行動を共にするうちに、平凡だったイルトの運命は大きく変わっていく。

 主に彼らを軸に多くの登場人物が世界を織り成す異世界ファンタジーミステリー。



各章ハイライトシーン

やたらアクションシーンばっかり抜粋している気がしますが…
作者はアクションシーン大好きです。

ACT1 ジャックニコルバイエンの押印師
「ぐっ…」
 喰い付くように、男の手がワイヴァンの喉を捕らえた。反射的に空気が握りつぶされたような呻き声が漏れる。勢いで椅子が倒れ、パイプ椅子がむき出しのコンクリートの上でバウンドしけたたましい音が響く。
 ワイヴァンが咄嗟に男の腕を引き剥がそうと手を添えると、まるで乾ききった鞣革のように硬く筋肉が隆起していた。
 強力(ごうりき)を司る精霊が男の細胞を奮起させ、滾らせているのだ。
「なるほど…これはいい…これだけあれば…人間の首を縊るぐらいは容易いな…」
 男の低い声が不敵に笑う。ワイヴァンの首を絞める指先に、さらに力が込められた。
「ごほっ…」
 仰け反っていたワイヴァンの首が、かくりと垂れた。
 縊り締めようとする男の手には、まだワイヴァンの脈が感じられる。
 その根を完全に止めるべく、男の指先はさらに筋張った。柔らかい首の肉に指が食い込み、気道を潰し、首の骨を潰し折る……はずだった。


ACT2 銀髪の少女
「っな…!」
 全てを拒絶し主を守る空気の檻が、エルリオと瀕死の男の中心半径ニメートル内にいる全ての「異物」を弾き飛ばす。ガラスとガラスがぶつかりあう音。エルリオに手を差し伸べかけていたウェーバーの体も、不可視の張り手を全身に受けて後方に弾かれた。
「大尉!」
 部下達がウェーバーに駆け寄る。エルリオに向かった数名は、同じように不可視の壁に阻まれて弾かれた。
 結界の向こうで血相を変える軍人達の様子に、キューはプラスチックの両目を顰める。
「エル!どうするんだよ!?」
「分からない…分からない、けど」
 エルリオは跪き、瀕死の男に手を添える。
 高等治癒の押印が扱えれば、もしかしたら助けられるかもしれない。しかし今のエルリオにはその力がなかった。
「とにかくこのまま軍の奴らに、この人を渡したくないと思ったから…」
「エル…」
「お父さんも……任務遂行の障害物みたいな扱いで…」
 父ワイヴァンとは別れの言葉も交わせなかった。
 この男もきっと、酷い死に方しか出来ない。
「何のつもりだ、あの小娘」
 数歩離れた場所から、兵の一人が銃を取り出す。


ACT3 銀と濃紺の渦
 エルリオのその反応に、少女の声音が変わった。
(…しまった…何かマズい事を…?)
「貴方は誰!?」
 悔いる間もなく、ミリアムと名乗った少女が立ち上がる。勢いでパイプ椅子が転がり、机が跳ねた。机を迂回する間も惜しみ少女は灰色のショールの下からエルリオに手を伸ばす。一歩逃げる。少女が更にまた一歩踏み込む。机に体半分をぶつけ、前のめりになった。
 頭から覆っていたショールが肌蹴た。
「あ…」
 銀色がこぼれた。
 透けるような少女の銀髪が、ショールの中から現れた。
「銀髪…っ!」
 エルリオが声を上げた瞬間、少女の手がエルリオの腕に触れる。
 その刹那、少女が触れた箇所から神経を伝うように、軽い痺れが体中を巡った。

 轟音のような耳鳴り。
 銀、血、銃、軍人、市場、翼、薬、開かないピルケース、浮浪者、タイル、トラム、アパートメント、灰色のショール、鉄の階段、次々と記憶がカードを捲るように蘇り頭の中を映像の洪水で埋め尽くし始める。
 全身の神経を駆け抜ける何かが、筋肉を鷲づかみにして強張らせ、そして弛緩させる。

「やめて!!」

 耐えかねてエルリオは叫ぶと共に全身で少女の腕を拒絶した。体を翻し、搾り出した力で少女の手を振り払う。勢い余ってその場に崩れ落ちた。


ACT4 無限の零
「!!…何なんだあんたは…!」
 無性に腹立たしさが込み上げ、イルトの声が荒くなる。このグレンと名乗る男が口にした名は確かに自分らが幼い頃に死んだ父親のそれであり、墓苑に葬られているのもまた事実である。だからこそ、許せなかったのかもしれない。
「イルト…!」
 前に踏み出しかけたイルトの腕をとるアムリ。英雄と同じ名を名乗る男は僅かに首を傾げた。眉目に微かに曇りが浮かんでおり、イルトが向ける感情の矛先が全て受け流されているような空虚がそこにあった。
「確かに父さんは昔に死んで今は墓苑に墓石がある…でも何であんたがそこまで知ってるんだ」
「イルトってば、やめなさい」
「姉さん、だっておかしいじゃないか…!爺様、今までの話も、何の事だか俺達には全く分からない。それ以前に、この男が誰でどうしてどうやってここに来て何でこの村の人間にしか知り得ない事まで知ってて先々代様まで知っていて…父さんや爺様の昔まで知ってるってそれも訳分からないんだよ!」


ACT5 流浪の花
「やはり来たな!」
 そう叫んで男は風をかわして崩れた天井へと身を移した。車両の周囲に控えていた男たちが武器を手に一斉に動き出すが、目の前に滑り込んできたバイクに妨げられ動きを失い、直後には車上の若い女が放った銃弾の雨により次々と倒れていった。
「???」
 そこで何が起こっているのか、もはや把握する事はできない。さきほどから乗客たちはただ次々と起こる爆発から身を守るだけに精一杯となり、落ち着いたかと思えばまた新しい誰かが現われ…。
「………一体…」
 コートの下からミリアムが顔を出す。腕にはキューが抱かれていた。
 車両の天井には精霊狩りの男。バスクスとは恐らくこの男の名なのだろう。腕にメロウと読んでいた人形のような少女を抱いている。
 その二人を見上げる、薄いモスグリーンのコートの男。短くはねる金髪の青年だった。
 車両のすぐ脇には、両手に銃を構えた若い女がバイクから軽い身のこなしで飛び降りたところ。着地して振り向きざまにまた一発、背後から襲ってきた男に一発、撃った。
 何が起きているのかは分からない。
 だが一つエルリオに分かる事があった。
 あのグリーンのコートの男に死なれては困るという事だった。


ACT6 聖地の刻印
「水が鏡みたいに綺麗」
 ミリアムがしゃがみ込んで恐る恐る指先を水に触れさせた。あまりに水面が静かで、凍っているのかと錯覚するほどだ。細く白い指先が水面に触れると、小さな波紋が生まれて大きくなることなく消えていく。
「生き物はいないのかな」
「水を口に含まないほうがいい」
 少し先を歩いていたヴィルが振り返る。
「子供じゃあるまいし、飲まないわよっ」
 エルリオが口を膨らまして反論するが、
「…どうだか」
 と冷ややかに苦笑するヴィルの視線を追って足下をみると、
「そうなのですか?」
 と、水をすくった手を口元に持って行きかけていたミリアムと目が合った。
「ちょっと!旅先でむやみに水や植物を口にするんじゃないのっ!」
「ご、ごめんなさい…でもこんなに綺麗なお水なのに」
「見た目が綺麗でもコップ一杯に大腸菌やらが何万匹といる場合もあるんだよ」
 とキューがポケットの中から補足する。
「何万…すごくお腹を壊してしまいますね…」
「…………ソウダネ」
 エルリオはがっくりと肩を落として心底気疲れした様子だ。
 二人と一匹のやりとりを眺めながらジャスミンは「アウトドアは苦手なの?」と口元に手をあてて笑っている。
「大腸菌がいるかは分からないが、ここの水は『竜の澱(よど)』と呼ばれていて少々酸が強い。一瞬触れる分にはかまわないが、長く肌を浸せば低温火傷のような状態になるから、よく手も拭いておいたほうが良い」
 少し先方に立ったままのヴィルは腕組みをして少女たちが歩き出すのを待っていた。
「よど?」
 とミリアム。
「ヨダレのことだね」
 とエルリオ。
「………よだ…」
 それを聞いて手に掬っていた水を慌ててこぼしてミリアムはハンカチで手を拭ったのであった。

ACT7 白き机上の世界
 天に伸び上がり姿を現した黒竜は中空で体を急旋回させると巨大な紅の口を開けてヴィルに襲いかかった。すかさず無事な左手で風を作り体を浮上させそれをかわすが、撓った動きに伴い間髪なく襲い来る巨大な尾がすぐ真横に迫っていた。
「!」
 空気を薙ぐ竜の尾の影が視界の端を過ぎり、ヴィルは瞬時後に襲い来る衝撃を覚悟した。
「やだっ!」
 反射的にエルリオは瞳を瞑る。「あ!」とミリアムの声が重なり、
「ヴィル!!」
 橋の手すりを有らんばかりの力で握り締めたジャスミンの叫び、
 そして凄まじい衝突音と咆哮が重なった。
『ギャアアオオオ』
 それが竜の悲鳴に変わりエルリオは顔を上げた。
「シュテラリオン!」
 叫んだヴィルの言葉通り、新たな巨大竜がそこにいた。腹に印を宿した風の竜王は、ヴィルに向けられていた黒竜の首に真横から喰らいついている。二匹の竜王は互いに巨体をぶつかり合わせ空中でのたうった。
「竜と竜が……なんで…?」
 エルリオは呆然とその光景に圧倒される。あの黒竜が何故当主たるヴィルに襲い掛かったのか、そして何故竜の住まう谷で竜同士が対峙しているのか。遠い脳裏で浮かんだ小さな疑問は体中を振るわせるほどの咆哮により全て掻き消える。
 黒竜は体を捻らせて尾を振りぬき、シュテラリオンはそれをかわし黒竜の首から口角を離した。大振りに翼をはためかせて互いに牽制し合う距離をとる。
「……」
「………」
 小さき人間達はただその様子を見つめるしかない。最も近距離にいたヴィルも、橋の上のジャスミンも、遠くから駆けつけていたクロウら沼竜谷の戦士らも、そして中空に留まったままのエルリオとミリアムも、ついでにポケットの中にいたキューも、ただ双眸に二つの王を映して動きを止めていた。
『グゥ…』
 口惜しげに小さく呻き、黒竜は首を返して体を逆方向に翻す。そして谷底へと急降下していくと再び巨大な水飛沫を上げながら渓谷の深き水底へと還っていった。
 谷中から全ての音が消えたように静まり返った中で、
「あれ…やっぱりホンモノなんですかね」
 ぽつりと最初に声を発したのはアレックだった。騒ぎに乗じてイリオン少尉も、渓谷間で繰り広げられた光景を高台から眺めていたのである。目の前の、さながら怪獣大戦争たる出来事を両者とも俄かには消化できずにいた。


ACT8 運命の拠り所
「ぅあぁ!」
 ナイフは心臓を避け、グレンの左肩に突き立った。脳を突きあがる痛みに失われそうになる意識に抗いながら、腕に絡みついた布を振り払った。急に布が緩み左にラースルの重心が落ちる。グレンはラースルの右側に滑り込むように水の中に倒れこんだ。
「くっ……う」
 水が非情なまでに冷たく感じた。身につけているもの全てが水を吸い込み、痛みと疲労と相まって体の重さが倍に感じられる。右肩と右腕だけで何とか半身を起こそうと試みるが、体が水に吸い付くように動かない。
「…っ」
 耳元で揺れる水音が、過去の記憶とシンクロする。こんな時にこそ、人の頭は眠らせていた記憶を引きずり出してくるものだ。長年の経験からグレンが覚った事象の一つである。
 イルトの父ライズが死んだ時も、自分はこうして全身を濡らして水辺に倒れていた。
 百数十年前、用水池に頭を突っ込まれて溺死させられかけた事もある。あれは死ぬほど苦しかった。
(水には良い記憶がないよな…)
 ナイフを肩に生やしたまま右手で抑えてグレンは立ち上がりかけるが、ラースルから数歩遠ざかったところで膝の力が抜けて再び水に膝をついて倒れこんだ。
「はぁ……はぁ…」
 確かな手ごたえを感じたラースルは、全身で懸命に呼吸を続けながらグレンの様子を見下ろしていた。そして後方に落ちている銃を拾い上げる。標的は、無事な右手で体を起こしてなんとか座り込む姿勢でラースルに向き直った。左肩のナイフを右手で引き抜くが、ナイフは力なく落ちて小さな水音が響いた。
「貴様…」
 改めてラースルは己の状態を確認した。顔や手を含め、空気に露出した肌は火傷を負い、全身から未だに焦げ付いた異臭が漂ってくる。爆発した怒りが今は沈静化しており、やけに冷静だった。同時に、目の前にいる相手の忌々しさを再確認する。
(素手の相手にこのザマか…)
 自嘲が込み上げて喉の奥から咳まじりの苦笑が漏れた。



ACT9以降も、適宜追加します。
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